レンズとめぐる日本の風景
~春色をさがして~ タムロンレンズとともに、花で巡るさいたまフォト旅
2023/03/31
水中からオーロラまで、地球全体をフィールドに撮影している、写真家のむらいさちです。
今回は、僕の出身地でもある埼玉で「春のお花を巡りながら歩いた一日の写真」をお見せしたいと思います。

通常お花の撮影の時は、望遠系のレンズを使うのですが、今回は旅の要素もあったので、僕が愛用しているタムロンの大口径標準ズームレンズ、17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD (Model B070)を使用して全て撮り下ろしました。このレンズはF2.8と大口径にも関わらず軽量・コンパクトです。加えて、大きなボケも表現できますし、近接撮影も可能というとても万能なレンズです。「普段お花の撮影では使わないレンズで、どんな作品が撮れるのかな?」と期待しながら、とても楽しみな旅になりました。

写真を始めてから好きになった地元埼玉、とても素敵なところがたくさんあるので紹介したいと思います。

※1枚目の写真
焦点距離:20mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/1300秒 ISO感度:640 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:Velvia



 

早咲きの桜が迎えてくれた、美しい桜並木と青空



焦点距離:70mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/2秒 ISO感度:800 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


素敵な桜並木が多いのも埼玉の魅力のひとつ。まずは眠い目をこすりながら早朝の北浅羽桜堤公園へ。日中は人も多くなるので、人のいない並木を撮りたいのならば朝早く行くしかありません。予報は晴れだったのですが、残念ながら朝方は曇りで、キラキラの桜は撮影できませんでした。しかし、しっとり優しい雰囲気の写真を撮ることができました。シャッタースピードもかなり落ちていたので、地面にカメラを置いてパシャリ。



焦点距離:70mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/28秒 ISO感度:800 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


早朝に気持ちの良い桜並木をテクテクと歩きます。曇り空でちょっと残念な気持ちもありましたが、東の空の隙間から朝日が少しだけ顔を出してくれました!嬉しくなって、これを活かして撮影しようとしたところ、きれいな桜の花がついた枝を見つけて、太陽を玉ボケにして撮影してみました。こういった暗い状況での手持ち撮影はかなりシビアになりますが、ズーム全域で大口径F2.8と、手ブレ補正機構VCのおかげでこのように、今までは手持ちでは撮影できないような状況での撮影もできるようになりました。



焦点距離:70mm 絞り:F5.6 シャッタースピード:1/20秒 ISO感度:800 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:Velvia


ここ北浅羽の桜の魅力は、1.2キロも続く桜並木にあります。品種は安行寒桜といい、ソメイヨシノよりも早く咲くので、お花の少ないこの時期にいつも楽しませてくれます。花の色も濃いめなので、曇り空のやさしい光でもとても華やかに写せます。風景撮影ではできる限り三脚を使いたくない僕としては、被写界深度がちょっとほしいこんな状況でも、70mm側で手ブレせず撮影できるのはありがたいです。



焦点距離:17mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/550秒 ISO感度:640 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


「青空が無いと撮影したくない」というほど晴れの日の撮影が好きな僕ですが、この日は曇り。諦めて次の場所に移動しようかと思いトボトボと車に向かって歩いていた時、急に空が晴れてきました!晴れたのならその気持ちの良い空を入れたいと思い、広角端17mmにして空を入れ込んで撮影。17-70mm (35mm伴換算25.5-105mm相当)をカバーしてくれて、F2.8という明るさも兼ね備えたこのレンズは本当に万能で、いろいろなシチュエーションに対応してくれます。慣れると手放せないレンズです。



焦点距離:58mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/1400秒 ISO感度:640 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:Velvia


今回これが撮りたかったのです。青空と桜並木と奥に見える山並み。埼玉とは思えない (笑)、この景色が僕は好きです。桜に寄った写真はどこでも撮れますが、このように引いた画で撮れることができて、人工物も入らない場所は関東ではなかなかありません。さっきまで曇りで泣きそうだった僕の気持ちもこの青空のように晴れ、気持ちよく次の場所に移動することができました!安心したらお腹も空いてきましたね。

 

ガーデン&カフェのランチに舌鼓



焦点距離:25mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/1900秒 ISO感度:640 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


今回のテーマが花巡りだったので、今日のランチは東松山市でお花屋さんが運営している「ガーデン&カフェ プラナス」さんへ。とても素敵な一軒家のカフェで、お花屋さんらしく店内にはドライフラワーが置かれ、お庭にはかわいい春のお花がたくさん植えてありました。お店は予約制なので、予約をしてぜひ行ってみてくださいね。



焦点距離:70mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/50秒 ISO感度:1600 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


料理もとても美味しかったです。僕が食べたのは、アッシェパルマンティエという料理。メニューによれば、ひき肉とチーズとジャガイモを合わせたフランスの定番料理、とのこと。この17-70mm F2.8は望遠端の最短撮影距離が0.39mなのでしっかりと寄って撮影できますし、ちょっと暗い店内ではF2.8という明るさはありがたいです。お腹も心も満たされたところで、後半の撮影場所に移動します。

 

ボケ味や構図を楽しみながらお花を撮影



焦点距離:70mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/300秒 ISO感度:640 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


次に来たのはこの時期には毎年訪れる、滑川町にある「国営武蔵丘陵森林公園」です。ここは年間を通していろいろな花を見ることができます。この時期はカタクリや早咲きのチューリップがあり、とても華やかです。まずは大好きなカタクリを撮影しました。いつもは望遠レンズで撮影するので、このレンズでどのように撮れるのか不安もありつつ撮影。しかし結果は写真を見ての通り、望遠端70mmで開放F2.8で写してあげると、タムロンならではのとろけるようなやさしいボケが~。このレンズ、思った以上にやりますね!



焦点距離:70mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/450秒 ISO感度:640 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


次は春を喜び空に向かって歌っているようなクロッカスです。とても背の低いお花なので、芝生に寝ころびながら同じ目線で撮影しました。このレンズの、70mmという決して望遠ではない焦点距離を使う時、一輪のアップというより、余白をうまく使って楽しむと良いと思います。この写真もトロトロにとろけるようなボケが美しいです。



焦点距離:70mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1/420秒 ISO感度:640 
使用カメラ:富士フイルムX-T4 フィルムシミュレーション:PROVIA


今回の旅の最後の写真は、早咲きのチューリップです。毎年植え方が変わるのですが、今年は様々な色がミックスされた植え方で、僕好みのカラフルなチューリップ畑になっていました。逆光側に周って望遠側で撮影。背景がとにかくカラフルなのでそれを伝えられるような構図にしました。ここは楽しすぎて、この場所だけで30分ほど撮影していたかと思います。春はお花も多いですがその時期が短いので、時間がどれだけあっても足りませんね。



今回のお花を巡る旅はいかがでしたでしょうか?
たった一日でしたが、お天気にもお花の開花のタイミングにも恵まれて、常に興奮しながら、癒されながら撮影することが出来ました。そして今回の相棒のレンズ17-70mm F2.8ですが、これまで標準ズーム一本でお花の撮影をしたことが無かったので、正直不安もありましたが、終わってみると最強のお散歩レンズだと気づきました。食事やスナップはもちろん、真剣に狙いたいお花の撮影までしっかりこなしてくれましたし、このスペックで重量も530gと軽量。一日首から下げていても疲れることはありませんでした。何より、望遠端でのあの美しいボケにはとにかく驚きました。新しいカメラを買って、どのレンズを買おうか迷っている人などには間違いなくおすすめの一本です。その魅力は今回の写真で十分伝わっていると思います。

僕の頭の中は、すでにこのレンズとの次の旅のことで妄想は広がる一方。皆さんもぜひタムロンのレンズと共に、美しい風景を探す旅をしてみてくださいね。


 

写真家プロフィール

 
    写真家 むらいさち   Sachi Murai

沖縄県座間味島にてダイビングガイドの後、写真の世界へ。
心に感じたイメージを写真に載せて撮るスタイルを得意とし、独特の優しい世界観で、水中からオーロラまで地球全体をフィールドに撮影を続けている。2023年5月18日~29日には、写真展「EARTH COLORS」を、OM SYSTEMギャラリーで開催予定。
沖縄県座間味村観光大使
オンラインサロン:「写真家むらいさちのふんわりフォトサロン」主宰


【写真家サイト】 
Instagram(水中)https://www.instagram.com/murai_sachi/
Instagram(陸上)https://www.instagram.com/murai.sachi/
Official site:http://muraisachi.com
オンラインサロン
写真家むらいさちのふんわりフォトサロン

 

今回ご使用いただいたレンズ

■タムロン17-70mm F/2.8 Di III-A VC RXD
 (Model B070:富士フイルムXマウント用)

2021年1月、APS-Cサイズミラーレス一眼カメラ対応の大口径標準ズームレンズとして、ソニー Eマウント用を発売。ズーム比4.1倍、大口径F2.8を実現し、タムロン独自の手ブレ補正機構VC (Vibration Compensation)を搭載しながらも、軽量・コンパクトを実現。デイリーユースはもちろん、荷物の負担を減らしたいアウトドアシーンにもおすすめです。AF駆動には静粛性を誇る、高速・精密なステッピングモーターユニットRXD (Rapid eXtra-silent stepping Drive)を搭載。さらに動画撮影時に発生するフォーカスブリージングを抑えています。最短撮影距離は広角端0.19m、望遠端0.39mを達成したほか、簡易防滴構造や防汚コートを採用。ポートレートからスナップ、風景撮影まで、あらゆるチャンスを鮮明にとらえます。
ソニー Eマウント用に続き、2022年7月8日より、富士フイルムXマウント用も販売を開始いたしました。

>17-70mm F2.8 (Model B070)製品ページ



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