レンズあれこれ
今さら聞けないレンズのお手入れ
2023/02/15
ご購入いただいたレンズを長くご愛用いただくためには、日常のお手入れはとても大切です。汚れの付着したレンズをそのままにしておくと、故障の原因になることもあります。ここでは、汚れやカビの発生原因と対処方法をご紹介します。
 

レンズに付着する汚れの種類

きれいに見えるレンズも、日常の撮影や保管環境によってさまざまな汚れが付着しています。例えば、埃・手垢・汗・唾液・雨水・カビ・花粉などがあげられます。
 

「カビ」発生のメカニズム

汚れの中でも特に注意したい「カビ」の発生! 寒い日には家の窓ガラスが結露して、それが乾いた後のガラス面が汚く曇っているのを見たことがあると思います。レンズも同じように、レンズ内の空気層に対して、外気は絶えず同じ環境条件になろうとする作用が働くため、その温度差が激しい程、湿気(水の分子)はレンズの内側に侵入しようとして表面に付着します。
細かい水滴が付着したまま時間が経過して、白濁色に曇ってしまった状態を専門用語で「水ヤケ」といいます。さらにこの水ヤケ状態にホコリや汚れなどが加わってレンズ面を侵し始めた状態を「ヤケ」、さらに細菌繁殖にまで至ったものを「カビ」と区別しています。
ここまで進行してしまったレンズを完全に元のレンズに戻すことはできません。発生のメカニズムを理解して、正しいケアをしましょう。
 

レンズのお手入れ方法

お手入れの際に用意するものは、ブロアー、レンズクロス、レンズクリーナー液、レンズクリーニングペーパーなどです。

レンズの表面、外観の汚れについて

まずブロアーを使って付着したホコリやゴミを払います。
クリーニングペーパーにレンズクリーナー液を少量しみ込ませて、レンズの中心から外側へ渦巻き状にソフトタッチで拭きあげていきます。
指紋や汚れがついた場合もクリーナー液を使って優しく何度も繰り返し拭きます。
※「ハァーッ」っと息をかけて拭くのは湿気を与えることから禁物です。
※ 空拭きはレンズ面に傷をつけやすいので避けましょう(下記、防汚コート対応機種を除く)
 

レンズの保管方法

棚やカメラバックに入れっぱなしなどは、レンズにとって良くない環境です。精密機器であるレンズは保管方法も大切です。正しい保管方法で最適な状態を保ちましょう。
・レンズは湿気が大敵です。高温多湿を避け、風通しの良い場所に保管しましょう。
・乾燥剤を使用する場合は防湿ケースかポリ袋の中で密閉保管し、有効期限に注意しましょう。(湿気を吸った乾燥剤は逆効果です)
・防湿庫に保管する場合は、カメラボディとレンズを別々にして、フィルターなども取り外し、キャップだけにして保管し、取り出す時にも外気に慣らしてから撮影に出かけるようにしましょう。
・しばらく使用しない場合でも、定期的にレンズの着脱、ズームやフォーカスリングを動かしてレンズ内の空気の入れ替えをしましょう。

注意が必要な撮影場所

・湿度の高い場所…海、冬山(スキー場など)から帰宅後は、ズームを伸ばしてよく乾燥させてから保管しましょう。
・ホコリっぽい場所…運動場、砂浜、砂漠などから帰宅後は、ブロアー等でホコリ等をよく払ってから保管しましょう。
 

防汚コートについて

最前面のレンズに撥水性・撥油性にすぐれたコーティングを施すことで、レンズ表面に付着した汚れを簡単にふき取ることができます。また、耐久性にもすぐれているため、その効果が持続します。
 

防汚コートありとなしのレンズ比較



タムロンレンズラインナップのうち、防汚コート搭載のレンズについては以下をご覧ください。
 

防汚コート搭載機種


※2023年2月15日現在

レンズを長くご愛用いただくために、正しいお手入れ方法、保管方法をご確認ください。
 
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