2022年12月17日(土)、オンラインイベント「四季を彩る富士と風景撮影テクニック オンラインセミナー」を実施しました。その一部をこちらのレポートでご紹介いたします。
四季折々の富士山作品の撮影地情報や撮影テクニックを紹介
12月17日(土)にオンラインで開催された本セミナーでは、講師に写真家・TAKASHI氏をお迎えし、四季折々の風景を配した富士山の作品をご紹介いただきました。
富士山は季節のみならず、周辺の気象条件によって日々違った表情を見ることができ、大変人気のある被写体です。そのためシーズンイベントが開催されている時期には、混雑で三脚が置けないことも多いそうです。そんな時は三脚を使用せず、ズームレンズを活用して手持ちでフットワークを生かして撮影することで、普段とは違ったアングルなどを狙えるそうです。雪景色や紅葉、花火やススキなど富士山を引き立てる季節ごとの風景については地図をみながら、エリアごとの特徴や近隣の見どころ風景などを紹介いただく、富士山周辺を熟知しているTAKASHIさんならではの内容でした。
※オンラインセミナーでご紹介いただいたTAKASHI氏の作品の一部。
作品に仕上げるためのレタッチのポイント
セミナーの後半は、Lightroomを操作しながら印象的な作品に仕上げるためのレタッチテクニックを細かく解説いただきました。風景写真家にとって、仕上げのレタッチは細部の調整などノウハウが詰まっています。今回のセミナーでは、ポイントを3つに絞り、TAKASHI氏の素晴らしい色彩が出来上がる過程を見せていただきました。
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ポイント1:輝く色彩の出し方
レタッチで仕上げていくことを想定し、露出はアンダー気味に撮影します。
Lightroomのヒストグラムを見ながら、基本補正メニュー「シャドウ」を上げて明るくします。このままだとコントラストが不十分なので、「白レベル」や「コントラスト」、「ト―ンカーブ」を上げてコントラストを付け、輝く色彩を出します。コントラストを付け過ぎてしまうと空などが白飛びしてしまいますので注意して調整を行ってください。
ポイント2:主役の引き立たせ方
主役(今回は富士山と紅葉の葉)を引き立たせるため、メニュー内の「効果」を使用して主役の周りの露出を少し下げます。そうする事により、主役(今回は富士山と紅葉の葉)に視線がいくようにします。主役の周囲が不自然にならないように周辺露光の境界線に「ぼかし」をうまく適用させて周りの露出を下げ、主役を引き立たせてください。
ポイント3:マスク機能の活用
Lightroomに新たに加わった「マスク機能」を使用して、自分が思い描く作品に仕上げます。
マスク機能「空」はAiが自動的に空を認識してマスクを作成してくれます。夕方のイメージに近づけるため、空だけに赤味を加えます。このように部分的にマスクを使用することで、自分が表現したい作品に仕上げます。やり過ぎると不自然になってしまいますので注意が必要です。不自然と感じたら、自分が納得するまで調整をしてみましょう。
■セミナーでご紹介したレタッチツール
Adobe Photoshop Lightroom:
https://www.adobe.com/jp/products/photoshop-lightroom.html
■セミナーでご紹介したLightroomの編集方法
補正メニューを使った編集方法:
https://helpx.adobe.com/jp/lightroom-cc/using/edit-photos.html
マスク機能を使った編集方法:
https://helpx.adobe.com/jp/lightroom-cc/using/masking.html
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※実際にLightroomでレタッチをしている様子。3つのポイントに沿って実演いただけました。
TAKASHI氏の作品ご紹介
TAKASHI氏が四季折々の風景を織り交ぜ、様々な角度で捉えた富士山の作品の一部をご紹介いたします。
焦点距離:28mm 絞り:F14 シャッタースピード:1/125秒 ISO感度:100 使用カメラ: ソニー α7R III
使用レンズ:タムロン 28-75mm F2.8 (Model A036)
焦点距離:28mm 絞り:F16 シャッタースピード:146秒 ISO感度:100 使用カメラ: ソニー α7R III
使用レンズ:タムロン 28-200mm F2.8-5.6 (Model A071)
焦点距離:20mm 絞り:F2.8 シャッタースピード:1.6秒 ISO感度:100 使用カメラ: ソニー α7R III
使用レンズ:タムロン 17-28mm F2.8 (Model A046)
写真家プロフィール
おすすめのタムロンレンズ
■28-75mm F/2.8 Di III VXD G2 (Model A063)
圧倒的な解像感と軽量コンパクトなレンズボディ。ズーム全域で画面の隅々までシャープな描写性能と大口径ならではの美しくやわらかなボケ味を存分に楽しむことができます。
28-75mm F2.8 G2 (Model A063)製品ページ
■17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)
抜群の携帯性と高画質を両立させた、ミラーレス専用設計のソニーEマウント用大口径超広角ズームレンズです。
17-28mm F2.8 (Model A046)製品ページ
まとめ
富士山は四季の変化を楽しめるだけでなく、周りには高い山が無く、湖が沢山あり海が近いため様々な気象条件が起きることで、その変化も楽しめる世界でも類まれな美しい山です。ほぼ360°どこからでも富士山を撮影することができるので、広角レンズから標準レンズ、望遠レンズと様々な角度で富士山を入れた風景撮影や、撮影した写真を自分が表現したい作品に仕上げるレタッチにもチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
今後もTAMRON BASEでは、皆様の充実した写真ライフのサポートとなるよう、様々な撮影ジャンルのイベントや情報を発信してまいります。